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星新一とNHK    宇宙船シリカからホシドラへ

星マリナ


 星新一没後25年の今年、NHK BSで「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」が放送されました。 ここで、NHKの星新一作品映像化をふりかえってみたいと思います。
宇宙船シリカ
1960年9月5日〜1962年3月27放送 全227話

制作・竹田人形座/写真・星ライブラリ所蔵
 
制作・竹田人形座/写真・星ライブラリ所蔵
 「宇宙船シリカ」は、NHK初のSF人形劇でした。 イギリスの有名なテレビSF人形劇「サンダーバード」の放送開始が1965年ということですから、いかに早かったかがわかります。 1963年4月には、手塚治虫さん原作の「銀河少年隊」、1969年4月には、小松左京さん原作の「空中都市008」がはじまりました(ともにSF人形劇)。 ちなみに、宇宙船シリカの関係か、父は初期の「連想ゲーム」に、ときどき回答者として出演していました。



気まぐれ指数
1973年4月16日〜25日 全6話

 「気まぐれ指数」は、少年ドラマシリーズで放送された番組です。 少年ドラマシリーズといえば、筒井康隆さん原作の「タイム・トラベラー」、眉村卓さん原作の「なぞの転校生」「幕末未来人」などのSFがありましたが、「気まぐれ指数」はSFではなくミステリーコメディでした。
星新一ショートショート
2007年11月11日〜2010年1月2日 全87話
 「星新一ショートショート劇場」5話から、「星新一ショートショート」74話、「星新一ショートショート ワンダーランド」2話、そして「星新一ショートショート 新春スペシャル」6話まで、2年以上にわたり放送されました。 このシリーズは、国際エミー賞(コメディ部門)を受賞しています。 1話3分というスピード感と、毎回アニメ2話と実写ドラマ1話という組み合わせが画期的でした。 新春スペシャルのドラマ「古風な愛」(15分)が、2022年の短編ドラマの原型ともいえます。
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ
2022年4月5日〜8月16日 全20話

©2022 NHK/テレコムスタッフ
「薄暗い星で」(監督・望月一扶)
NHKオンデマンドで配信中
 
©2022 NHK/テレコムスタッフ
「処刑」(監督・柿本ケンサク)
NHKオンデマンドで配信中
 「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」は、1話15分。 3分のスピード感のかわりに、物語世界に深く入り込めるので、長い余韻がたのしめます。 豪華な俳優陣、ロケ地のセレクション、そして小道具もすばらしい。 ずっと本のなかに住んでいた登場人物が、ひらいた本のページから浮かびあがって動きだしたみたいでした。 それでなんだか、夜空に向かって放映してあげたいような気持ちになったのでした。 手塚さんや小松さんも一緒に見てくれそうな気もするので……。

 62年前の「宇宙船シリカ」と比べると、映像技術の進化もさることながら、現実社会の進化というものに、圧倒されてしまいます。 1960年に夢物語だったSFが、実感をともなって理解できる物語となっている2022年なのでした。

NHKアーカイブス「宇宙船シリカ」第123話「イクチオザウルスの最後」映像約3分
NHKアーカイブス「星新一ショートショート」「約束」映像約1分半
NHKオンデマンド「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」
NHKエンタープライズ「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」DVD-BOX
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2022年9月6日(ホシヅルの日)

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